いま現代美術の最前線で活躍する、切り絵画家久保修。
1951年、日本に生まれた久保修は、大学建築科在学中に切り絵に出会う。
1977年大阪のギャラリーでの個展を皮切りに、日本各地で個展や展覧会を開催し、熱い注目を浴びるようになった。
1984年から一年間スペインに遊学し、デッサンなどを学ぶ。帰国後、スペイン遊学中に使用していた、パステルやアクリル絵の具、
布、砂といった素材も作品の中に取り入れて表現するミクスト・メディア(混合技法)と呼ばれる独自の技法を築き上げた。
1995年の阪神・淡路大震災で被災。自然災害が歴史・暮らし・人々の心に大きな傷跡を残す様子を目の当たりにする。
それ以降のテーマを「紙のジャポニスム」とし、日本国内を旅し、移り変わる日本の四季折々の「風物詩」や「旬の食材」
の生命力にあふれた瞬間を切り取って作品に仕上げている。この頃から日本の心が息づく「和紙」にこだわり、
1枚の和紙をナイフで繊細に切り抜いて絵に仕上げていく。作品の題材に応じて薄い和紙を幾重にも重ねて奥行きや立体感を出し、
オリジナルの鮮やかな色彩で対象物の質感をも表現している。
日本四季折々の作品が評価され、2008年ニューヨーク「The Nippon Club」主催にて展覧会を開催し、多大な反響を得る。
2009年、文化庁文化交流使に指名され、同年12月より約3ヶ月拠点をニューヨークに移し、切り絵を通じて日本文化を伝える活動を行った。
その後、国内での活動に加え海外での活動も精力的に行なっている。2010年からアメリカ・スペイン・ポルトガル・フィリピン・マレーシア・
ウクライナ・ロシア・イラン・キューバ・トルコ・ジョージア・中国・シンガポール・インドネシアにおいて、展覧会を開催し、
ワークショップ・レクチャーなどの文化交流活動も行っている。
2016年フィラデルフィア日米協会より国外では初の「最高芸術賞」受賞する。
2019年美術館えきKYOTOで展覧会を開催。同年、山口県文化功労賞及び文化庁長官表彰を受賞する。2020年 福島県観光物産館包装紙等デザインを担当。
2021年7月7日~13日伊勢丹新宿店にて個展開催。
7月17日~9月5日まで、山口県下関市立美術館に、10月23日~12月5日まで兵庫県豊岡市立美術館にて展覧会開催。
その他、年賀はがき、切手、商品パッケージのデザインも担当するなど多方面で活躍している。